もっと“私らしい”を叶える服をコンセプトに、様々な日常に寄り添う婦人服を提案している株式会社MORE様。 実店舗における接客・提案を重視している同社が、東光オーエーシステム(以下東光OA)のRFIDシステム『Compact RFID』を導入した経緯と効果についてお話を伺いました。
当社は実店舗において、スタッフ一人一人がお客様に寄り添う丁寧な接客とお店の雰囲気づくりを重要視しています。 スタッフ本来の目的である接客により専念できるよう、店頭の付帯業務を効率化する手段を模索していました。
そのような中、SHOP管理システムを導入している東光OAから、RFIDシステムの提案を受けました。 システムの詳細説明を受け、目的としていた業務効率化が促進できることを実感し、導入を進める決断をしました。 他社様の導入事例もたいへん参考になりました。
導入を決断したものの、導入前にクリアしておかなければならない課題はいくつかございました。
具体的には、新しい業務フローの策定から、バーコードのJANコードへの対応、そして電波を扱う上でのセキュリティ対策や電波法に基づく各種届出といった手続き面の整備を進めました。加えて、実環境における影響調査として、タグの取付位置、商品素材、什器の種類が読取精度に与える影響について詳細なテストを繰り返し、調整を行ってまいりました。RFIDタグの形状や素材、印刷方法や調達方法についても、これまでの経験が活かせない未知の分野でした。
幸いにして、東光OAはアパレル業務やRFIDの特性について、豊富な知識とノウハウを持ち合わせていたので、導入準備を円滑に進めることができました。
出荷作業時間の大幅短縮
従来のバーコード運用では、一点ずつ商品の下げ札をスキャンする必要がありましたが、RFIDでは同時に複数のタグを読み込め、箱の中など見えないところにあるタグも読み取ることができるので、入荷の検品や出荷時の確認作業にかかる時間が大幅に短縮できました。 出荷業務が約1時間かかっていたものが、約20分で完了するようになりました。
在庫精度の向上・棚卸作業の軽減
RFIDでは、個々のタグにユニークなIDが付与されているため、手作業で行うと発生しがちな読み取り漏れや重複読みなどのヒューマンエラーを回避することができます。これまでは棚卸業務に約3時間かかっていたものが、約10〜15分で完了します。
棚卸の作業が軽快になったことで、棚卸に関する心理的な負担が大幅に軽減しています。スタッフのモチベーションも向上し、棚卸に対する意欲が高まりました。棚卸の頻度・回数を増やすことができ、在庫精度も大幅に改善しました。
バーコードと目視による確認を行っていた入荷検品も、RFIDタグは箱に入ったままでも複数商品を一括で読み取れるため、作業が圧倒的に楽になりました。
RFIDの導入により、アパレル製造販売業の在庫管理や業務効率が大幅に改善されました。東光OAのサポートを受けながら、しっかりとした事前準備を行ったことで、スムーズな導入と効果的な運用が実現できました。
作業時間の短縮により、店舗スタッフ本来の目的である販売業務に集中することが可能となります。アパレル業界では人手不足が慢性的な課題ではありますが、ひとつの解決策なり得るのではないでしょうか。
これらの効果は、人件費の削減、作業ミスの減少、販売機会ロスの低減、属人化の防止、顧客満足度の向上、そして最終的な売上・利益の向上に貢献します。アパレル業界におけるRFID導入は、店舗運営の効率化だけでなく、顧客体験の向上やデータに基づいた経営戦略の実現に不可欠なソリューションと言えるでしょう。
現状は正確な入出荷・在庫データの取得が主な目的ですが、今後は、商品の動き、試着履歴など、RFIDによって得られる多様なデータをリアルタイムで分析し、様々な場面で活用できるようになっていくでしょう。それにより、適切な商品提案や、より精度の高い販売戦略の立案、売上向上を目指していきます。
東光OAにも、洗練されたシステムや新技術の活用について提案していただくことを期待しています。